このサイトで紹介させていただく音楽理論は現代のポピュラー音楽におけるコード理論という分野ですが、ではブルースやロック、世界中の民族音楽などをここに当てはめることが可能かと言えば、多くの矛盾が生まれます。ではそんなものを学んでもしょうがない?となるかもしれませんが、私がここで伝えたいのは「考える道筋」です。
「考える道筋」とは、例えば音楽理論を学ぶ上で出会う数々の疑問や矛盾などを自分の中でどう消化し、実用につなげていくかのプロセスです。これまでも多くのクリエイターたちは彼ら独特の発想を使って音楽にトリッキーな仕掛けを作ってきました。いわば会話をより楽しいものにするために冗談や意味深な単語を使い、より表現を豊かに彩るようなものです。文学においても、言葉や言語にはそれを相手に的確に伝えようと言う目的と意思がありますね。そして言葉が意図をもって並べられることによってロマンスやサスペンス、ミステリーなど、多種多様な感情を私たちの心に生じさせてくれますね。これを音楽でやる!それがこれまで音楽の歴史を築いて来られた私たちの先人たちの奇跡であり、そして現代に生きる私たちの喜びなのです。
つまり存在している「音」をあなたがどう理解し、判断し、対応するか。それこそが「あなたの音楽」だからです。あなたの個性はあなたによって育まれます。そしてそれはあなたの「考える道筋」に沿ってその形を具現化します。
もしあなたがギターやピアノなどの和音対応楽器、もしくは単音楽器などを演奏しながら歌う活動をしているとして、あなたは歌に沿うコードのVoicing(和音の積み方)や、別のコードに変える場合の可能性など、主旋律である歌をより魅力的に彩るいくつもの方法を考えられるようになったり、鳴っている和声の響き(コード進行、もしくはその一部分)に対してあなたが理想とするメロディーをいくつもイメージしたり、作れるようになるとどうでしょうか?
またもしあなたがジャズなど即興演奏を志しているとして、突然渡された譜面から、その楽曲の意図を理解し、理想的なラインをインプロヴァイズしていくための基礎となる方法を持ち、更にその方法論を超える発想を理解し使えるようにしていけるとすれば、きっとあなたの創造力は大きく発展していく、そのきっかけになると思います。
理解や創造、それらを形として伝える手段の土台となる知識を積み上げ、その視点から音楽を見てみた時、それらを知らなかったときとは大きくあなた自身の判断が変化していることでしょう。
そしてこれら音楽理論で述べられる事柄は「絶対従わなくてはいけない義務」なんかではありません。あなたの中にあるモノフォニーを、あなたというクリエイターの歴史的背景を基にどんな音楽世界を創造し得るか。あなたの「考える道筋」はきっとあなたの未知なる可能性を呼び覚ましてくれる一助となると私は信じています。
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